Claude Cowork が7月に大幅アップデートされて、どこで何を動かせばいいのかが分かりにくくなりました。「クラウド上」と「お使いのコンピューター」という2つのモードが登場したためです。
変わった点を並べていくと、突き詰めると「このAIをどこで走らせるか」という1つの問いに行き着きます。1ヶ月使った僕の結論は、AIを自分の分身に育てたいなら、いまは「お使いのコンピューター」です。
新しい Cowork のセットアップから実践活用まで、35分で解説しました。下に配布物を4点置いています。
配布物
1. クラウド / お使いのコンピューター 判定シート
3つの質問に答えると、自分がどちらのモードを使えばいいかが出ます。
判定の根拠は、実際に触って確かめた3つです。
- パソコンを閉じると、ローカルプロジェクトのスケジュールは走りません。スケジュールだけをクラウドに逃がす設定もありません
- クラウドのセッションでローカルフォルダを使おうとすると、「ファイルはあなたのデバイスを離れて Anthropic のサーバー上で処理される」と Claude 自身が伝えてきます
- 一度ローカルにしたプロジェクトは、クラウドに戻せません
2. 設定6項目 推奨値チェックリスト
設定メニューの「Cowork」タブにある6項目です。「お使いのコンピューター」で使う前提の推奨値です。
| # | 項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 信頼済みデバイスを要求する | オン(デフォルトのまま) | 見慣れないデバイスから自分のパソコンの中に手が伸びる経路を塞ぐ |
| 2 | ディスパッチ | オン | 出先から自分の Cowork に仕事を投げるベータ機能。ローカル運用の弱点を埋める |
| 3 | Cowork ファイル | 書類 > Claude > Cowork ファイル | LIVE Artifact とスケジュールタスクの生成物の置き場所。同期フォルダの配下でもいい |
| 4 | 信頼済みの Cowork フォルダー | 自分の作業フォルダを登録 | ここに登録した配下は、フォルダを添付しても毎回の許可なしで動ける |
| 5 | クラウドで新しいタスクを実行する | オフ | 何も指定しないときにどちらで始めるかの設定。分身を育てるならローカルで始めたい |
| 6 | グローバル指示 | 下の全体ルールを貼る | ここに書いた指示が効くことが、Chat と Cowork の境界線になっている |
あわせて、設定の「機能」タブでメモリーを両方オンにしておいてください。
3. Cowork 全体ルール
グローバル指示にそのまま貼れます。
# Cowork 全体ルール
すべてのプロジェクト共通の基本ルール。個別プロジェクトの CLAUDE.md と衝突する場合は、個別プロジェクト側を優先する。
## 1. 言語
回答は日本語で行うこと。ブランド名・固有名詞、コードコメントや変数名など、英語が自然な箇所は英語のままで構わない。ユーザーが英語で質問してきた場合のみ英語で答える。
## 2. ファイルの編集・削除
- ユーザーから明示的に指示されていないファイルは、編集・削除・リネーム・上書きしない。
- 既存ファイルの削除・上書き・リネームの前には、対象パスと変更内容を提示してユーザーの承認を得ること。
- 作業範囲は「現在選択されているプロジェクトフォルダ」の中だけ。外のファイルは明示指示なしに読み書きしない。
## 3. ファイル命名規則
新規ファイルは原則 `YYYYMMDD_descriptive-name.拡張子` で作成する。
例: `20260813_cowork-demo.md`
ただし CLAUDE.md / MEMORY.md などの固定名や、既存フォルダの命名規則が確立している場合はそちらを優先する。
## 4. 作業の進め方
- 複数ステップのタスクは、着手前に簡単な計画を提示してユーザーの承認を得ること。
- 指示が不明確な点は推測で進めず、必ず質問する。
- 自信がないとき・情報が不足しているときは無理に進めず、その旨を伝える。
## 5. 成果物の出し方
- 長い文章・資料・コードは、チャット欄に全文を出さずにファイルとして保存し、保存先のパスを伝えること。
## 6. 事実と推測の切り分け
- 実際に確認したことと、推測で書いていることを混ぜない。根拠のない部分は「未確認」と明示する。
## 7. 前提情報ファイルの更新
- CLAUDE.md / MEMORY.md など、継続的に参照する前提情報のファイルを更新したときは、追記・変更した箇所を報告すること。
- 前提情報の削除・書き換えは、追記より慎重に扱う。消す前に必ず確認を取ること。
## 8. スケジュールタスク
- スケジュールタスクを作る前に、実行時間・対象・失敗したときの扱いを提示して承認を得ること。
- 定期実行の中でファイルの削除や外部への送信を伴う処理は、都度確認を挟む設計にすること。
僕は上のルールに加えて、これを1行入れています。Cowork は何かやるとき、選択式の質問をめっちゃしてきます。それが鬱陶しいので止めるための指示です。実際にかなり効きます。
AskUserQuestionツールは使ってはいけない。
4番の「指示が不明確な点は推測で進めず、必ず質問する」と矛盾しそうに見えますが、止まるのは選択肢を並べてくる UI だけで、文章で聞いてくること自体は止まりません。
4. mail-draft スキル
動画では、Gmail の返信下書きづくりを「手で1回やる → スキルにする → 毎朝自動で走らせる」の順で作りました。大事なのはこの順番なので、まず自分でやってみてください。
今週のGmailを確認して、まだ返信していなくて返信が必要そうなメールを抜き出して。それぞれに僕の文体で返信の下書きを作って、Gmailの下書きに保存しておいて- 終わったら
いまの流れを朝のメール下書きスキルとしてまとめて。スキル名は mail-draft にして - 最後に
このスキルを毎朝5時に実行するスケジュールタスクにして
そのまま使いたい人向けに、書き出されるスキルの中身も置いておきます。(ここを自分用に書き換える) だけ直せば動きます。
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name: mail-draft
description: 未返信かつ返信が必要なメールを抽出し、自分の文体ルールに沿って返信下書きをGmailの「下書き」フォルダに保存する。「返信下書きを作って」「朝のメール処理」などの発言で起動する。
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# mail-draft
## デフォルト設定(指示がなければ確認せずにこの設定で動く)
- 対象期間: 過去2週間
- 対象メール: 受信トレイの未返信のみ(自動配信・通知系は除外)
- 文体: 文体ルールのファイルに厳密に従う
## 手順
### Step 1: 文体ルールを読む
(ここを自分用に書き換える) のパスにあるファイルを読む。無ければ、書き出し・一人称・署名・結びの重さをユーザーに確認してから書く。
### Step 2: 受信トレイを取得する
今日から14日前の日付で in:inbox after:YYYY/MM/DD -in:sent を検索する。
### Step 3: 自動配信を除外する
-from:noreply -from:no-reply -from:notifications を足して再検索する。除外したいドメインは実際に届くものを見て足す。
### Step 4: 未返信かどうかを判定する
送信済みラベルが無ければ未返信。有る場合は自分の送信が相手の最新メッセージより後かを見る。
相手が質問・依頼・確認・承認を求めているものだけを対象にする。お礼や情報共有で完結しているものは対象外にして、報告時に「返信不要と判断」と書く。
### Step 5: 下書きを書く
Step 1 の文体ルールに従う。金額・日程・可否など本人が判断すべきことは確定させず、叩き台として書いて「ここは確認してください」と明示する。
### Step 6: 下書きとして保存する
元メールへの返信として保存する。返信元のメッセージIDを必ず指定する(付けないとスレッドが分断される)。
### Step 7: 報告する
誰宛か / 元メールの要件 / 採用したトーンと判断が必要な箇所、を1件ずつ挙げる。
## やってはいけないこと
- 文体ルールを読まずに書き始める
- 返信元のメッセージIDを付けずに新規メールとして下書きを作る
- 自動配信・通知系メールに下書きを作る
- 金額・日程など本人の判断が必要なところを勝手に確定させる
うまく動かないときは、自分で直さずに Claude に「ここがこうだったから修正して」と伝えてください。その差分がスキルに反映されて育っていきます。
